映画『サユリ』南出凌嘉&近藤華 Wインタビュー

特集インタビュー
2024年08月22日 20時00分

原作・押切蓮介×監督・白石晃士による映画『サユリ』(配給:ショウゲート)が、8月23日(金)より全国公開!

累計20万部を突破し、異才・押切蓮介のホラー表現到達点と呼ばれるホラー漫画「サユリ」は、とある家族が夢のマイホームへと引っ越した途端、次々と不可解な現象に襲われるというストーリー。原作者の押切にとって、自身の作品の中でも「一番好き」と語るほど思い入れのある作品だ。監督は、大ヒットホラー『貞子 vs 伽椰子』や、松坂桃李主演のサスペンススリラー『不能犯』などの白石晃士。これまでに、幽霊、呪い、オカルト、モキュメンタリーなど様々なジャンルのホラー作品を数多く手掛けてきた、まさに“ホラーを知り尽くした映画監督”である。この夏、《期待度 MAX》のホラークリエイタータッグによる新たな“最恐傑作”が誕生する。

物語の主人公、神木家の長男で中学3年生の則雄役には、映画初主演となる南出凌嘉が抜擢。神木家の大黒柱である父親・昭雄役は梶原善、家族を明るく支える母親・正子役は占部房子、則雄の姉であり弟思いの長女・径子役は森田想、そして兄の則雄を慕う次男・俊役は猪股怜生が演じる。そして、神木家の引っ越しをきっかけに同居することになった祖父・章造役はきたろう、認知症で家族の介護が必要な祖母・春枝役は根岸季衣が演じ、これから想像を絶する出来事が待ち受ける神木家のメンバーが揃う。そんな神木家を近くで見守るキーパーソンとして、則雄と同じ学校の同級生・住田役を務めるのは近藤華。こうして、この神木家にまつわる恐怖の物語が始まる―。

今回本作で、則雄を演じた【南出凌嘉】と住田を演じた【近藤華】をSGS編集部が直撃!ホラー映画初出演の2人。本作の初号試写で、南出は手で耳を半分塞ぎながら、近藤は目を両手で覆いながら観ていたほど怖さを感じたという。演じた役との共通点や、お芝居で意識したこと、SGS読者に向けた見どころのほか、原宿周辺で好きな場所や、「死に物狂い」で頑張ったこと、中学生時代を振り返ってみてなど、気になる素顔が垣間見えるお話をたっぷりと語ってくれた!
Q.ホラー映画初出演ですが、オーディションの様子を教えてください。

南出凌嘉(以下、南出):大勢で行うオーディションだと、ほかの人の演技を見て影響されることも多いのですが、今回は一人ずつ部屋に入って行うオーディションでした。自分が原作を読んで作りこんだものを全力でやれたと思います。もともと則雄と僕で通ずるところがあって。シンパシーを感じるというか、僕もこの場面でこうするなというところが結構多くて。僕が則雄をやったらこういう演技ができますよというのを出せたらいいなと思って演じました。[南出凌嘉]
スタイリスト 岡本健太郎/KENTARO OKAMOTO
ヘアメイク 亀田雅/MASA KAMEDA

[近藤華]
スタイリスト 杉長智美/Tomomi Suginaga
ヘアメイク 井出真紗子/Masako Ide

Q.出演が決まって、家族や友達、周りの方々はどのような反応でしたか?

南出:家族からは「初めてのホラー作品だけど、大丈夫か」と心配されました(笑)。

近藤華(以下、近藤):「この作品に出るよ」と言った時に、私の周りではホラーが得意な友達があまりいなかったのですが「頑張って観てみる」と言われました。みんなを説得して観に行かせたいと思います(笑)。

Q.住田の初登場シーンで、則雄に接近する際のスピードや、全く合わない視線が不安さを際立たせていると感じました。2人が初めて会うシーンは、どのようにお芝居を作り上げていったのでしょうか?

近藤:私はもともとオタク気質で(笑)、好きなものに対して早口になるし、緊張すると動きも硬くなるし、住田は結構自分に近いと思いました。何かに熱中している人たちの動きを見るのがすごく好きで、楽しそうだなと思って目で追ってしまうことも多くて、今まで観察してきた人たちを参考に演じました。

南出:僕はオーディションで初めて近藤さんにお会いした時に、正直ちょっとミステリアスな子だなと(笑)。僕もちょっとオタク気質で、緊張するとベラベラしゃべってしまうタイプなんです(笑)。そういうことに理解のある子、仲間だと思って安心しました(笑)。撮影現場でお会いするとミステリアスさにさらに磨きがかかって「住田そのものだ」と思いました。Q.テレビやゲームの音、女の子の笑い声、ピアノのBGMなど、作中に登場する音が怖さをさらに引き立たせています。ご自身は普段、音に対して敏感なほうですか?

南出:僕はすごく敏感で。街中で音楽を流さずに、イヤホンを耳栓がわりに付けています。本作の初号試写の時も、手で耳を半分くらい閉じて音を聞いていました。後から聞いたら、近藤さんも目を両手で覆いながら観ていたと。お互いに耳を塞いで目を覆って、みたいな(笑)。

Q.映像よりも音の方が苦手なのでしょうか?

南出:そうですね。自分の演技はきちんと観て勉強しなきゃという思いもあって映像はなんとか観ました。ホラー映画自体は、みんなでワイワイ観るのが好きなのですが、映画館では声を出したらダメなので、そうなると発散できなくて、怖さがジワジワきて、耳を塞いで観ていました(笑)。

近藤:私も音を出さずにイヤホンをつけています(笑)。初号試写では、則雄の家族のシーンでは私はその場にいなくて、初めて観るシーンばかりだったので、映像がとにかく怖かったです。

Q.作中のように、夜家の中で不審な物音がしても、気にせず寝られるほうですか?

南出:むしろ気になる前に、イヤホンをつけて寝てしまいます(笑)。

Q.則雄のようなたくましさですね。

南出:図太さみたいな(笑)。嫌なものはそもそも回避します(笑)。Q.映画全体としては、役者がオーバーなリアクションをするシーンは比較的少なくて、静かな演技でお客さんを怖がらせないといけない仕上がりです。お芝居では何を意識しましたか?

南出:最初は目の前にあるものに対して新鮮に怖がったり、死んでしまうのではないかという怖さや悲しさを出したりしようと思っていました。ですが途中から、観客の方々を同情させるのではなく、一緒に怖がってもらいたいと思うようになりました。演技のテイストや考え方を変えて、一緒に怖がるというのを大事にしたいと意識しました。

近藤:普段生きていて窮地に立たされることはなかなかないと思います。なので今回はいろいろな洋画を観て参考にしました。目を見開いて襲ってくるものを観察しようとか、鼓動が速くなるだろう、息切れするだろうとか、一つずつ考えました。Q.幽霊と戦うために人間側がバイタリティを高めていく様子が印象的でした。ハラハラするシーンも盛りだくさんですが、無事にクランクアップを迎えた時、どのようなお気持ちでしたか?

南出:僕は「寂しいな」という気持ちが大きかったです。家の中で、本当の家族のようにずっと楽しく撮影していて。おばあちゃん役の根岸季衣さんをはじめ、大人の方々がみんなオールアップで撮影現場から帰ってしまって。僕はもともとおばあちゃん子だったので、撮影中一ヶ月間ずっと引っ張ってくださった大先輩の根岸さんが帰ってしまって「この撮影も終わってしまうんだな」と寂しさを感じました。

近藤:住田は則雄の家族との絡みはあまりなかったのですが、家族役の皆さんとお会いしてお話している時、雰囲気がワイワイしてすごく楽しくて。クランクアップは私一人でのシーンだったのですが、家族役の皆さんが近くまで来てくださったのがありがたかったです(笑)。
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好きな女の子が読者です。原宿周辺や都内で、好きな場所や思い出の場所はありますか?

南出:もともと子ども服のモデルをやっていて、原宿周辺で知り合いの方が展示会をやることも多くて、小さい頃から行き来していました。原宿は大好きでよくいる街です(笑)。

近藤:私もお洋服がすごく好きなので、友達と渋谷や下北沢の洋服屋さんやカフェによく行っています。あとは皇居周辺の緑の多い景観が好きで、よく散歩しています。

Q.ご自身は振り返ってみてどんな中学生でしたか?

南出:中学生の時からずっとおとなしかったですね。美術部に入っていて、みんなで作品を作る時に、僕はいつも絵の具を混ぜて色を作っていました。黙々と作業するのが好きでした。

近藤:私は芸能界に入ったのが中2の頃で。表に出ることを意識する前は見た目に気を遣っていなくて、眼鏡っ子で髪もボザボサでした。眼鏡をかけている静かな子という感じだったかもしれません。Q.死が身近に迫ってくる作品ですが、お2人がこれまで「死に物狂い」「死ぬ気」で頑張って努力したことについて教えてください。

南出:毎回、できるだけ後悔のないように作品に向き合っています。今回は元気を糧にして「幽霊に勝つぞ!」という感じだったのですが、ボロボロになる役の時は、走ったり減量したりして「しんどい、もうやめたい」と思いながらやっていて死に物狂いだなと思います。

近藤:学校で持久走の大会があって、10km走らないといけなくて。足がもつれるほどきつかったのですが諦めず、10km走れて頑張ったなと思いました。

Q.お2人と同世代の女性の読者に向けて、見どころを教えてください。

南出:まったく新しい挑戦的な映画なので、今までホラーが怖かった人も、これを機にホラーが好きになり、こういうホラーなら観られるなと思ってほしいです。ホラーは苦手だからということで距離を置いてしまう人も多いですが、そういう人の足がかり、きっかけになればいいなと。絶対好きになってくれると思うので、ぜひ挑戦してほしいです。

近藤:ホラーだからずっと怖いわけではなく、おばあちゃんのシーンでコメディ要素があったり、爽快感があったり、観ていて怖い以外の感情もたくさん出てくると思います。私もジェットコースターに乗っているような感覚になり、観終わった後に楽しかったと思いました。皆さんもきっと楽しんでいただけると思います。

ありがとうございました。

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[プロフィール]

南出凌嘉
2005年8月10日生まれ、大阪府出身。
2012年NHK連続テレビ小説「純と愛」でデビュー。2016年には『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』で初主演。主な出演作としてドラマ「ウロボロス-この愛こそ、正義。」(2015年/TBS)、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(2015年/フジテレビ)、「昭和元禄落語心中」(2018年/NHK)、「姉ちゃんの恋人」(2020年/関西テレビ・フジテレビ)、「ひきこもり先生」(2021年/NHK)、映画『キングダム』『ザ・ファブル』『糸』などがある。
2022年に放送された日本テレビZIP!朝ドラマ「泳げ!ニシキゴイ」では長谷川浩之を演じ、2023年にはNHK土曜ドラマ「やさしい猫」にナオキ役で出演。


近藤華
2007年8月6日生まれ、東京都出身。
2021年にマクドナルドのCMで芸能界デビュー。主な出演作に舞台「フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜」(2021年)、菅田将暉MV「ギターウサギ」(2022年)、ドラマ「ばらかもん」(2023年/フジテレビ)、「アンチヒーロー」(2024年/TBS)、「生きとし生けるもの」(2024年) などがある。
出演映画『アイミタガイ』が11月1日(金)より公開予定。夢の一戸建てマイホームに引っ越してきた神木家。しかし、家族7人の幸せな時間も束の間。どこかから聞こえる奇怪な笑い声とともに、一人ずつ死んでいく家族―。中学3年生の則雄は、同級生の住田に突然話しかけられ、「気をつけて」と言われる始末。そんな神木家を恐怖のどん底に突き落とす呪いの根源は、この家に棲みつく少女の霊“サユリ”だった......。

次々と起こる不可解な現象の中、遂に則雄にも少女の影が近づいてくる。その時、パニック状態に陥る則雄の前に現れたのは、認知症が進んでいるはずの“ばあちゃん”だった。「いいか。ワシら二人でさっきのアレを、地獄送りにしてやるんじゃ!復讐じゃ!!」 こうして、残された則雄とばあちゃんによる壮絶な復讐劇が始まるー!
本予告映像
Q.ホラー映画初出演ですが、オーディションの様子を…
[南出凌嘉]スタイリスト 岡本健太郎/KENTARO OKAMO…
Q.テレビやゲームの音、女の子の笑い声、ピアノのBGM…
Q.映画全体としては、役者がオーバーなリアクション…
Q.幽霊と戦うために人間側がバイタリティを高めてい…
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好き…
Q.死が身近に迫ってくる作品ですが、お2人がこれまで…
夢の一戸建てマイホームに引っ越してきた神木家。し…
映画概要
【サユリ】
2024年8月23日(金) 全国公開
監督:白石晃士
原作:押切蓮介「サユリ 完全版」(幻冬舎コミックス刊)
脚本:安里麻里、白石晃士
出演:南出凌嘉、根岸季衣、近藤華、梶原 善、占部房子、きたろう、森田 想、猪股怜生ほか
製作プロダクション:東北新社
配給:ショウゲート
2024年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/108分/R15+

公式サイト:映画『サユリ』
公式X:@sayurimovie2024
公式TikTok: @sayurimovie2024

ハッシュタグ
#映画サユリ

©2024「サユリ」製作委員会/押切蓮介/幻冬舎コミックス

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